論文:「北海道新幹線と寝台特急の復活について」




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令和8年3月2日

北海道新幹線と寝台特急(北斗星・カシオペア・

              トワイライトエクスプレス)の復活について

捧 大地

第1 東京・大阪と札幌を結んでいた寝台特急について

  かつて、「上野発の夜行列車〜〜[1]」と唄われていたブルートレイン「ゆうづる」は、上野駅(東京)と青森駅を結び、青函連絡船を経由して、人々を北海道まで運んでいた。

  やがて時代は進み、昭和63年(1988年)青函トンネルが開通した。これで、本州と北海道は鉄道のレールによって結ばれることとなった。これにより生まれた寝台特急が、北斗星・カシオペア(共に上野駅始発)及びトワイライトエクスプレス(大阪駅始発)である。

  これらの寝台特急は、「憧れの寝台特急」と評され、人気を博した。私事ではあるが、筆者も昔日、大阪発のトワイライトのチケットに恵まれ、北海道旅行を満喫した。

    ところが(「ところが」と筆者は表現させて頂く。)、この憧れの寝台特急に終焉の時が来てしまった。「北海道新幹線」の開業である。

  北海道新幹線の開業により、青函トンネルは、新幹線を除き、主に貨物列車による運行形態になり、あの憧れの寝台特急は鉄道旅行ファンとのお別れの時を迎えてしまった。

第2 北海道新幹線

1 概略

   北海道新幹線は、新青森駅〜新函館北斗駅間で2016年に先行開業した。東京〜函館間を約4時間ほどで結ぶダイヤで運行されている。2026年3月1日現在、東京駅始発〜新函館北斗駅行きは、平日は1日10本(下り)運行されている。

2 乗車率

   ところが、東京・北海道間の旅客の移動手段は98%が航空機であり、北海道新幹線の乗車率は3割を切る数字にとどまっている(日本経済新聞電子版2024年8月14日付[2])。

3 函館・札幌間

   ところで、新函館北斗駅〜札幌駅間は、営業キロ211.8kmであり、乗車時間は約1時間5分と予定されている(北海道庁HP[3])。そして、在来線の函館駅〜札幌駅間は、朝6時2分函館発の北斗1号で乗車時間が3時間45分、営業キロが318.7km(長万部から室蘭線に入り苫小牧を経由する。)である。

第3 北海道のブランド力と新幹線及び寝台特急の未来について

1 東京・北海道間の移動手段について

   北海道新幹線の新函館北斗駅〜札幌駅間の開業により、上記のように、乗車時間が150分以上短縮される見込みなのであるから、同区間については利用客が増え、利便性が増すであろう。

   しかし、である。

   果たして、「東京駅からの利用客」は増加するであろうか。2026年3月1日時点において、羽田発・新千歳行きの航空機が、1日「55便[4]」もあるのである(函館空港行きも、1日7便もある。)。それに対して、上記のように、新函館北斗駅行きの新幹線の運行本数は、1日10本にとどまる。利便性は、明らかに、航空機の方が優っているといえないだろうか。

2 北海道新幹線のブランド力と寝台特急のブランド力

⑴  北海道新幹線

    如上の事実、すなわち、乗車率・乗車時間等に鑑みると、果たして「北海道新幹線」は、ブランド力が強いといえるであろうか。

⑵  憧れの寝台特急

    これに対して、冒頭に紹介した3つの寝台特急(北斗星・カシオペア・トワイライトエクスプレス)は、チケットを入手するのさえも困難であった。そして、運行の終焉を迎えても、なお、それを懐かしむファンが多い。さらに、それに乗車したいと望む若者ファンも多数存在する。

⑶  ブランド力の比較

    このように見てくると、ブランド力は、明らかに、寝台特急の方が「強い」と評価できるのではなかろうか。さらに、大阪発トワイライトエクスプレスを含めれば、そのブランド力は遠く関西圏にまで及ぶ。

第4 筆者の提言

  北海道新幹線は、青函トンネル線から、名誉ある撤退をして、如上の3つの「札幌行き寝台特急を復活させるべきである。」と、提言する。

1 理由

    北海道新幹線は、「東京始発利用」に視点を置いた時、そのブランド力に乏しい。むしろ、札幌行きの「憧れの寝台特急」を復活させた方が、JRとしても、北海道観光としても、ひいては「北海道全体のブランド力」としても、その輝きが増すのではなかろうか。

第5 付記

1 開業済みの駅について

   現在すでに開業している、青森県の「奥津軽いまべつ駅」と北海道の「木古内駅」は、それぞれ東北新幹線と北海道新幹線の起点駅として、観光開発していくべきであろう。

2 保線について

   青函トンネル線の保線については、これを「寝台特急の運行」をメインとして捉え、保線の時間帯を、あえて日中に行うなど、柔軟に対応するべきである。

   その上で、寝台特急の増便も検討すべきではなかろうか。

以 上

<あとがき>

 如上のように、あの憧れに寝台特急に、今一度乗車したいと願う一鉄道ファンの視点から、北海道新幹線の現状と寝台特急の復活を考察してみた。

 筆者と同じ願いを持つ鉄道ファンも少なくないのではなかろうか。

敬具


[1] 石川さゆり『津軽海峡冬景色』(作詞:阿久悠、作曲:三木たかし)1977年シングルカット

[2] 【日本経済新聞電子版2024年8月14日付】

[3] 

[4] 羽田空港のHPより(筆者調べ)




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